睡眠時無呼吸症候群(SAS)について

睡眠時無呼吸症候群のイメージ写真

睡眠時無呼吸症候群は、Sleep(睡眠時) Apnea(無呼吸) Syndrome(症候群)の頭文字をとって「SAS(サス)」とも呼ばれます。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に息が止まった状態(無呼吸)や止まりかける状態(低呼吸)が何回も繰り返される病気のことです。

さまざまな症状を引き起こすだけでなく、その他の病気の原因になることもあります。日本人の300万人以上が睡眠時無呼吸症候群予備軍と言われ、21世紀の現代病とも言われています。

こんな症状の方はご相談ください

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に繰り返し呼吸が止まることで頭や身体が低酸素状態になり、脳や身体はそれを補うために心拍数や血圧を上げ、頑張って呼吸をしようとします。さらに寝ている本人は気付かなくとも脳や身体は断続的に寝たり起きたりを繰り返すため、脳神経や身体に大きな負担がかかります。

これが原因で睡眠中だけでなく、起床時や日中にも様々な症状を引き起こします。

睡眠中の症状

  • いびきをかく
  • 息が止まる
  • 咳き込む、むせる
  • 呼吸が乱れたり、息苦しく感じたりする
  • 何度も目が覚めたり、トイレに行きたくなったりする
  • 寝汗がひどい

起床時の症状

  • 口や咽が乾いている
  • 頭が痛い、重い、ガンガンする
  • 寝た気がしない、熟睡感がない、起きてもスッキリしない
  • 身体が重い、だるい

日中の症状

  • 強い眠気がある
  • 居眠りをする
  • 倦怠感や疲労感がある
  • 集中力や記憶力が低下している
  • 身体を動かしてもすぐに息切れをする

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療せずにしておくと日常生活に支障を来すだけでなく、交通事故や労働災害のリスクとなることが分かっています。また、以下のような疾患の危険が高まることが分かってきました。

  • 心疾患
  • 脳卒中
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • うつ病
  • 認知症
  • 癌 など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の多くは閉塞性睡眠時無呼吸症候群と呼ばれるもので、上気道という空気の通り道が狭くなったり塞がったりしてしまうことで生じます。原因として次のようなものがあります。

  • 肥満によってあごや首に脂肪がついている
  • 扁桃やアデノイドが肥大している、舌が大きい
  • 下あごが小さい、小顔
  • アレルギーで鼻が詰まりやすい、鼻中隔彎曲症などで鼻が曲がっている
  • アルコールや睡眠薬等で咽の筋肉が緩む など

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は肥満体型の方や男性でより多く見られますが、痩せ型の人でも女性でもかかる疾患です。

男性は30~60代の体重が増えやすく体型が変化しやすい年代で発症しやすいので注意が必要です。女性は閉経前と比べ閉経後に発症する確率が約3倍になるという報告があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査方法と費用

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の病状は、自宅で普段通りに寝ていただくだけで計測できる簡易検査(アプノモニター検査)で評価することができます。この簡易検査にかかる費用は健康保険3割負担の方で約2,700円です。

また当院では、簡易検査だけで治療方針が決定できない場合に精密検査である在宅ポリソムノグラフィー(PSG)検査も行っております。精密検査にかかる費用は健康保険3割負担の方で約11,250円です。

これらの検査結果によって治療方針を決定します(※病状によっては、近隣総合病院などでの入院精査をお勧めする場合があります)。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法と費用

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療のイメージ写真

鼻炎・扁桃肥大など、鼻やのどが狭いことが原因であれば原因疾患の治療も検討されますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度が基準を超える(睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数が簡易検査で40回以上、精密検査で20回以上)場合はCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法という治療が有効かつ強力な治療となります。これは就寝時に専用のマスクを装着し、上気道に空気を送り込んで圧をかけることによって上気道がつぶれて塞がるのを防ぐ治療法です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合は検査だけでなく、治療にも健康保険が適用できます(CPAP療法の場合は上記の基準を満たす必要があります)。CPAP療法を行う場合は、経過の確認のため月1回通院していただきます。費用は3割負担の方で月に3,930円程度かかります。